私は、娘が人のダメな所をすぐ指摘する事に嫌気がさしていた。
特に多いのが弟に対するもの。例えばまだ言葉がはっきりしない息子が恐竜の名前を少し違って発音すると、呆れた様な口調で言い直し、言葉が苦手だよね・・・と。祖父が何か失敗すると、ドジだよね・・・。私に関しても子供っぽいとか、変とか、色々、笑。１日に何回も人をバカにした様な態度で批判する。なのでずーっと注意してきた。言われた人は嫌な気持ちになるし、第三者も聞いてて娘のことを意地悪な人だと思うかも知れないし、娘にとっていい事ないよと。娘が誰かを批判するたびに私が睨む、娘は一瞬はっとして「わかった、わかった」と逃げてゆく。その態度を見た私は、あなたが嫌われ者にならない様に教えてあげてるのに、人の話をまともに聞かないなんて！とさらに腹が立っていた。
でも、ふと思い出した。自分にも人の欠点を毒を吐く様にしていた時期があることを。小さい頃から人の本性を見抜く子で、だからすごく人見知りで、大人が怖かった。少し成長すると、本当のことは、言っても良いと思っていた。でも、真実だからと言って何でも言えばいい訳ではなく、それによって傷つくし、傷ついた相手は自分を嫌う。なんなら本当のことこそ言われたくない事があるものだ。
幸いこれはまずいと気づいた私は、別の実験を試みた。人が言われたくないだろう事は言わず、言って欲しそうなことのみ発言してみる。ネガティブな事を思いつくのは止められないので、それは心の中だけで留める作戦。これは驚くほどに効果を発揮し、たちまち「良い人」になり変わった。前から知っている友人からは「変わったね！」と言われたし、人間関係がとてもスムーズに行く様になった。でも、嘘ばっかりついている様で、周りから思われる自分と本当の自分で葛藤してしまう。
最終的に落ち着いたのは、嘘は付かない。良いところは積極的に口にする。嫌だなと思った事は、正直に言うが、自分が嫌だと感じるだけで、相手が悪いと言う言い方はしないを心がける事。
娘だってこれから成長していく中で自分で解を見つけて行く事なんだな。そしていつも注意してばかりだったので、今朝正直に叱ってばっかりだった事を謝り、人を見抜く力もあなたの能力だよ。それをどう使ったら良いかは考えて欲しい。例えば、悪い事を一つ指摘してしまったら、良いところも一個言ってあげるとか。人の欠点を見つけられると言う事は、良いところも見るけられるはずだからと。最初は「わかった、わかった」と耳を塞ごうとした娘も、叱られてるのではないと気づいた途端、話を聞いてくれた。そして、すぐに弟にダメ出しをしてしまった事に気付き、「でも、かわいいね」と付け加えた、笑。素直か。
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